ノートパソコンをスリープさせずに閉じた状態のままで使用する方法

今回は、ノートパソコンをスリープさせずに閉じた状態のままで使用する方法を解説します。このノートパソコンを閉じたまま使用できる設定は「クラムシェルモード」とも呼ばれます。

クラムシェルモードは、ノートパソコンを使用しているけれど蓋を閉じるとスリープ状態になってしまい面倒という方や、閉じて別途ディスプレイに映して使いたいという方に有用な設定です。

また、ノートパソコンを閉じたまま起動させる方法などについても解説していますので参考にしていただけたらと思います。

Windows10でノートパソコンを閉じてもスリープさせない方法

Windows10でノートパソコンを閉じると、通常はスリープ状態になりますよね。
この状態だと、外部ディスプレイに接続してもスリープ状態のままなので、画面は真っ暗だし作業ができないという事態になります。
つまり、まずはカバーを閉じてもスリープさせないという設定をする必要があるのですね。

設定の仕方は以下のとおりです。

【Windows10でノートパソコンを閉じてもスリープさせない設定をする方法】

  1. 「スタート(Windowsマーク)」を選択
  2. 「設定(歯車マーク)」を選択します。
  3. 「システム」を選択します。
  4. 「電源とスリープ」を選択します。
  5. 「関連設定」内の「電源の追加設定」を選択します。
  6. 「カバーを閉じたときの動作」を選択します。
  7. 「バッテリ駆動」「電源に接続」の両方の項目で「何もしない」をプルダウンメニューから選択します。
  8. 「変更の保存」を選択します。

Windows11でノートパソコンを閉じてもスリープさせない方法

Windows11でノートパソコンを閉じてもスリープさせないようにするには、以下の手順で設定を変更する必要があります。

【Windows11でノートパソコンを閉じてもスリープさせない設定をする方法】

  1. タスクバーの「検索(虫めがねマーク)」を選択します。
  2. 上部の検索ボックスに「コントロールパネル」と入力します。
  3. 「最も一致する検索結果」に表示された「コントロールパネル」を選択します。
  4. 「ハードウェアとサウンド」を選択します。
  5. 「電源オプション」を選択します。
  6. 「カバーを閉じたときの動作の選択」を選択します。
  7. 「電源とスリープボタンおよびカバーの設定」内の「カバーを閉じたときの動作」を、「バッテリ駆動」「電源に接続」両方の項目で「何もしない」をプルダウンメニューより選択します。
  8. 「変更の保存」を選択します。

ノートパソコンを閉じたまま電源ボタン以外で起動させる方法

ノートパソコンを閉じてもスリープさせない設定はできたでしょうか?

次に、ノートパソコンを閉じたまま電源ボタン以外で起動させる方法を解説します。

ノートパソコンを使う際に電源を切らずに使用している方もいると思いますが、こちらは電源を切るようにしている方に向けた内容です。

そのような方の中には、結局電源を入れるときにカバーを開けるのが面倒くさい、という方もいらっしゃると思いますので、こちらの方法を試してみてください。

ただし、BIOSの設定が対応していなかったり、キーボードが対応していなかったりという可能性もあります。

また、スリープ状態から復帰させるのとは異なり、電源が切れている状態から電源をオンにする方法のためか、あまり簡単なものはないかもしれません。

それでも、どうしてもノートパソコンを閉じたまま起動したい!という方は試してみてください。

  • USB接続したキーボードで閉じたままのノートパソコンの電源をオンにする方法
  • コンセントのスイッチでノートパソコンの電源をオンにする方法
  • WOL(Wake on LAN)でネットワーク経由でノートパソコンの電源をオンにする方法

USB接続したキーボードで閉じたままのノートパソコンの電源をオンにする方法

ノートパソコンを閉じたまま電源ボタン以外で起動させる方法の中には、キーボードを使用する方法もあります。
キーボードを操作することで電源をオンにできるのですね。

この方法に使用できるキーボードは「PS/2キーボード」です。

PS/2キーボードは、パソコンの「PS/2ポート」に接続して使うキーボードです。

しかし、最近ではキーボードはUSB接続かBluetooth等による接続で使用されることが多いため、あまり見ることはないかもしれません。
とはいえ、USB・PS/2間の変換器もあるようですので、この方法が絶対に使えないというわけではありません。

また、この方法を実行するためにはBIOSを起動する必要があります。

BIOSというのは、パソコンの電源が入ったときに最初に起動するプログラムです。
このプログラムは、WindowsなどのOSが起動する前にハードディスクやキーボードなどの周辺機器の制御等をおこなっています。

BIOSはパソコンの起動後、メーカーロゴが表示されているときにBIOS起動キーを押す(もしくは連打)することで設定画面に入ることができます。

【BIOSの設定を変更してPS/2キーボードでノートパソコンの電源をオンにする方法】

  1. ノートパソコンを起動し、メーカーロゴの画面でBIOS起動キーを押し、BIOSを起動します。(起動キーはメーカーによって異なります)
  2. 「Power on Keyboard」を「Enable」にします。
  3. 「Anykey」を選択します。
  4. 設定を保存します。

コンセントのスイッチでノートパソコンの電源をオンにする方法

BIOSの設定を変更して、コンセントから給電された際にノートパソコンの電源がオンになるようにすることができます。
簡単にいうと、ノートパソコンをスイッチ付きの電源タップなどにつないでおき、電源タップのスイッチをオンにするとノートパソコンの電源がオンになるといった仕組みです。

設定の際に必要となるBIOSは、パソコンの起動時に出るメーカーロゴの画面でBIOS起動キー(メーカーによって異なります)を押すと起動できます。

なお、BIOS内に下記のメニューがない場合もあります。

【コンセントのスイッチでノートパソコンの電源がオンになるようにBIOSを設定する方法】

  1. ノートパソコンを起動し、メーカーロゴの画面でBIOSキーを押し、BIOSを起動します。(BIOS起動キーはメーカーによって異なります)
  2. 「PowerManagement」メニューの下の「AC behavior」を選択します。
  3. 「Wake On AC」にチェックをつけます。
  4. 設定を保存します。

こちらの設定をおこなうと、ノートパソコンが通電時に電源オンになります。
つまり、ノートパソコンをスイッチ付きの電源タップにつないでおき、スイッチをオンにすると電源が入るということです。
こうすると、ノートパソコンを開かなくても電源をオンにできるため便利ですね。

WOL(Wake on LAN)でネットワーク経由でノートパソコンの電源をオンにする方法

BIOSで「WOL(Wake on LAN)」を設定して、ネットワーク経由でノートパソコンの電源をオンにするという方法もあります。
「Wake on LAN」というのは、ネットワーク上にあるスマホなどの他のデバイスからMagic Packetというパケットを送りパソコンを起動できるといったものです。     

ただし、この方法を用いてネットワーク経由で電源をオンにできるようにするためには、WOLに対応しているスマホのアプリケーションや有線LANの環境が必要になります。

ここでは、Androidの「Wake on LAN」というアプリケーションを利用した方法を紹介します。

用意するものや設定がいくつかあり少しややこしいですが、気になる場合は試してみてください。

【WOL(Wake on LAN)でネットワーク経由でノートパソコンの電源をオンにする方法】

  1. ノートパソコンを起動し、メーカーロゴの画面でBIOS起動キーを押し、BIOSを起動します。(BIOS起動キーはメーカーによって異なります)
  2. 「Config」から「Network」を選択します。
  3. 「Wake on LAN」を「AC Only」にします。(電源接続時にWOLがオンになるということです)
  4. Androidで「Wake on LAN」を入手します。
  5. 「Wake on LAN」のアプリケーションを起動します。
  6. 「Wake on LAN」のアプリケーションでプラスボタンをタップします。
  7. 該当のデバイスが検出されたら、そちらをタップします。
  8. 名称などの設定を行います。

設定が済み、ノートパソコンを起動したいときには、Androidの「Wake on LAN」アプリにて該当のデバイスをタップしてください。そうすれば、ノートパソコンの電源が入るはずです。

ただし、この方法では無線接続の際にうまくいかないケースもあるようですので、有線LANに接続した状態で試してみてください。

ノートパソコンは使う時に閉じない方がいいのか?

ノートパソコンを閉じて使っていても大丈夫なのか?それとも、やはり閉じないで使ったほうが良いのか?という疑問がある方もいると思います。

基本的に閉じて使うこと自体に問題はありませんが、以下の点に注意する必要があります。

ノートパソコンを閉じたまま使う時、熱は大丈夫なのか?

ノートパソコンを閉じたまま使っていて問題となるのが、熱です。

注意すべきなのが、ノートパソコンを閉じて使っているときにキーボードが熱くなるという場合です。機種によっては、キーボード面から排熱している場合があります。
こういった機種は、普通に使用する場合はカバーを開いているため、キーボードから熱が発生しても排熱できるので高温になることはあまりありません。

しかし、カバーを閉じて使う場合には、カバーがキーボードの排熱を邪魔してしまうため、熱がこもりやすくなります。

熱がこもり高温になってしまった場合は、ノートパソコンの動作が遅くなる可能性があります。
これは、パソコンが高温になると動作を遅くしてシステムを守る機能があるためです。

その他にも、熱によってディスプレイの表面が劣化しやすくなったり、バッテリーの劣化が進みやすくなったりする可能性も考えられます。

すべてのノートパソコンがそのようになるというわけではないですが、お使いのパソコンの機種によっては閉じて使う際に工夫が必要な場合もあります。
たとえば、

  • ノートパソコン用のスタンドを用意し、そこに設置して使うことで熱をこもりにくくする
  • 冷却パッド、冷却台などを使って熱を冷やすような工夫をする
  • 卓上ファンを用意して熱を冷ますようにする

などの方法を取り入れることで、ノートパソコンに熱がこもりすぎて高温になり、動作が遅くなってしまうなどの問題を回避することができます。

キーボードが熱くなるタイプではないという場合にも、上記の工夫をするとより快適に使えるでしょう。

また、ノートパソコンを開いて使う場合にも言えることですが、排熱口を塞いでしまうと高温の原因になります。まずは排熱口をふさがないように注意しましょう。

ノートパソコンをスリープさせずに閉じた状態のままで使用する方法まとめ

今回は、ノートパソコンをスリープさせずに閉じた状態のままで使用する方法を解説しました。ノートパソコンを外部ディスプレイに映して使用するとき、開いていると邪魔という場合には便利な方法です。

これらの方法でノートパソコンを閉じたまま作業する場合、使用している機種によっては、キーボードの面から排熱しているものもあります。そのため、熱による速度の低下やディスプレイ・バッテリーの劣化には注意が必要です。

このような場合は、ノートパソコン自体のディスプレイをオフにしてすこしカバーを開けて使うなどの工夫をすると良いかもしれません。

また、ノートパソコンを閉じたままで電源をオンにしたいという場合には、BIOSの設定やPS/2キーボードを使うなど少々手間がかかる可能性があります。
BIOSの設定などは、慣れていない方の場合あまりおすすめできません。
よくわからないという場合はノートパソコンを開けて電源を入れるようにするか、作業をおこなわないときはスリープにしておき、作業をする際にキーボードやマウスの操作でスリープを解除する(ただし、機種によっては解除できないものもあります)という方法を使ったほうが安心かもしれません。

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