今回は、Windows 10やWindows 11で「Inaccessible Boot Device」というエラーが出て再起動を繰り返してしまう、ループしてしまうといった場合の原因や修復方法について解説します。
Inaccessible Boot Deviceというエラーは、OSを立ち上げるためのハードディスクなどにうまくアクセスできない場合に起こり得ます。
クリックできる目次
- 1 Inaccessible Boot Deviceの修復方法
- 1.1 HDD、SSDがBIOS(UEFI)で認識されているか確認する
- 1.2 更新プログラムをアンインストールする
- 1.3 回復ドライブで修復する
- 1.4 BIOS(UEFI)を最新のバージョンにアップデートする
- 1.5 コマンドプロンプトでCHKDSKやSFC /SCANNOWを実行する
- 1.6 システムの復元を試してみる
- 1.7 スタートアップ修復を試してみる
- 1.8 BIOS(UEFI)でSATAコントローラーのモードをAHCIに変更する
- 1.9 MBR(マスターブートレコード)の再構築を試してみる
- 1.10 TestDiskでブートセクタを修復する
- 1.11 HDDまたはSSDを交換する
- 1.12 リカバリーまたはクリーンインストールする
- 1.13 マザーボードを交換する
- 2 Inaccessible Boot Deviceの原因
- 3 Inaccessible Boot Deviceではセーフモードでも起動できないのか?
- 4 Windows 10、11でクローンを作成後にInaccessible Boot Deviceで起動しない場合
- 5 Windows 10、11で再起動を繰り返すInaccessible Boot Deviceの修復と原因まとめ
Inaccessible Boot Deviceの修復方法
Windows 10やWindows 11でInaccessible Boot Deviceというエラーが出て再起動を繰り返してしまう場合は、下記のような方法で修復できる可能性があります。
- HDD、SSDがBIOS(UEFI)で認識されているか確認する
- 更新プログラムをアンインストールする
- 回復ドライブで修復する
- BIOS(UEFI)を最新のバージョンにアップデートする
- コマンドプロンプトでCHKDSKやSFC /SCANNOWを実行する
- システムの復元を試してみる
- スタートアップ修復を試してみる
- BIOS(UEFI)でSATAコントローラーのモードをAHCIに変更する
- MBR(マスターブートレコード)の再構築を試してみる
- TestDiskでブートセクタを修復する
- HDDまたはSSDを交換する
- リカバリーまたはクリーンインストールする
- マザーボードを交換する
HDD、SSDがBIOS(UEFI)で認識されているか確認する
Inaccessible Boot Deviceのエラーが出てしまう場合、HDDやSSDがBIOS(UEFI)で認識されているか確認してみると問題解決に繋がる可能性があります。
BIOS(UEFI)を起動するにはパソコン起動時に出るメーカーロゴの画面で起動キー(メーカー製PCは「F2」、自作の場合は「Delete」キーが多い)を押す必要があります。起動キーはメーカーにより異なります。
認識されていない場合は、HDDやSSDがきちんとパソコンに接続されているかどうか一度確認してみてください。
更新プログラムをアンインストールする
最近更新したプログラムによりエラーが問題が起きている可能性も考えられます。
そのような場合は更新プログラムをアンインストールすることでエラーが起きなくなるかもしれません。
エラーが起きている場合はインストールメディアなどから回復環境を起動してアンインストールを行う必要があります。
【更新プログラムをアンインストールする方法】
- インストールメディアから起動します。
- 言語等の設定をおこないます。
- 「コンピューターを修復する」を選択します。
- 「トラブルシューティング」を選択します。
- 「詳細オプション」を選択します。
- 「コマンドプロンプト」を選択します。
- 「Dism /Image:○:\ /Get-Packages(○はOSが入っているドライブ文字)」と入力します。
- 一覧の時刻から最近の更新プログラムIDを見つけます。
- 「Dism.exe /image:c:\ /remove-package /○(○は最近インストールされた更新プログラムのID)」と入力しEnterキーを押します。
- パソコンを再起動します。
回復ドライブで修復する
Inaccessible Boot Deviceエラーが出た場合、回復ドライブを利用して修復をおこなうと問題が解決する可能性があります。
BIOS(UEFI)を最新のバージョンにアップデートする
Inaccessible Boot Deviceが発生した場合、BIOS(UEFI)をアップデートするとエラーが解決する可能性があります。
メーカーごとに手順は異なりますので、確認してみてください。
コマンドプロンプトでCHKDSKやSFC /SCANNOWを実行する
Inaccessible Boot Deviceが発生した場合、コマンドプロンプトでCHKDSKやSFC/SCANNOWを実行すると問題が解決する可能性があります。
【コマンドプロンプトでハードディスクのエラーをチェックする方法】
- PCの強制終了を繰り返す、またはインストールメディアを使いWindowsの回復環境を起動します。
- 「詳細オプション」を選択します。
- 「トラブルシューティング」を選択します。
- 「詳細オプション」を選択します。
- 「コマンドプロンプト」を選択します。
- 管理者のアカウントを選択します。
- パスワードを入力します。
- コマンドプロンプトが起動します。
- chkdskコマンドを入力します。
【sfc /scannowのコマンドで修復を試みる】
- コマンドプロンプトもしくはPowerShellを管理者で起動します。
- sfc /scannowと入力しEnterキーを押します。
- スキャンがおこなわれ、不整合が発見されると自動的に修復作業がおこなわれます。
システムの復元を試してみる
Inaccessible Boot Deviceエラーが発生している場合、システムの復元を試してみると問題が解決する可能性があります。
【システムの復元方法】
- 回復ドライブなどを使用して回復環境に入ります。
- 「トラブルシューティング」を選択します。
- 「システムの復元」を選択します。
- 該当のOSを選択します。
- 「次へ」を選択します。
- 復元ポイントを選択します。
- 「次へ」を選択します。
- 「完了」を選択します。
- 「はい」を選択します。
- 完了したら「再起動」を選択します。
スタートアップ修復を試してみる
回復ドライブやインストールメディアから起動し、スタートアップ修復をおこなうとInaccessible Boot Deviceエラーが解決する可能性があります。
スタートアップ修復は、Windowsの起動に連続で失敗することで自動的におこなわれるほか、手動で実行できます。
回復ドライブ(システム修復ディスク)の作成方法は以下の記事を参照してください。
【簡単】システム修復ディスクのusbメモリーへの作り方や使い方
【スタートアップ修復をおこなう方法】
- 回復ドライブからPCを起動します。
- 「トラブルシューティング」を選択します。
- 「詳細オプション」を選択します。
- 「スタートアップ修復」を選択します。
- アカウントを選択します。
- パスワードを入力します。
BIOS(UEFI)でSATAコントローラーのモードをAHCIに変更する
Inaccessible Boot Deviceエラーが出てしまう場合、BIOS(UEFI)でSATAコントローラーのモードをAHCIに変更すると問題が解決する可能性があります。
【BIOS(UEFI)でSATAコントローラーのモードをAHCIに変更する方法】
- BIOS(UEFI)を起動します。
- 「Advanced」を選択します。
- 「SATA Configuration」を選択します。
- 「SATA Mode Selection」を「AHCI」に変更します。
MBR(マスターブートレコード)の再構築を試してみる
MBRに不具合があるためInaccessible Boot Deviceが発生している可能性があります。
このような場合は下記の方法などでMBRを再構築すると問題が解決するかもしれません。
Windows 10、11でブートセクタ(MBR)の修復方法やTestdiskの使い方
EaseUS Partition Masterの使い方、使えない時の解決方法
TestDiskでブートセクタを修復する
「TestDisk」を利用してブートセクタを修復することで問題が解決する可能性があります。
【TestDiskを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法】
- TestDisk Download – CGSecurityにてソフトを入手します。
- TestDiskを起動します。
- 「Create」を選択します。
- 「Enter」キーを押します。
- 復旧したいディスクを選び「Proceed」を選択します。
- パーティション種別を選択します。
- 「MBR Code」を選択します。
- 「Y」キーを押します。
- 確認画面が出るので問題なければ「Y」キーを押します。
- 完了したらパソコンを再起動します。
HDDまたはSSDを交換する
Inaccessible Boot Deviceエラーが起こってしまう場合、HDDまたはSSDを交換すると問題が解決する可能性があります。
この他の対処法を実行しても問題が解決しない場合には、HDDやSSDの不具合という可能性も考えられますので、交換の必要があるかもしれません。
リカバリーまたはクリーンインストールする
Inaccessible Boot Deviceエラーが起きてしまう場合、リカバリーやクリーンインストールをおこなうことで問題が解決する可能性があります。
リカバリーやクリーンインストールでは保存されていたデータが削除されることになるので、最終的な手段と考えてください。
また、実行前にデータは必ずバックアップしておきましょう。
【Windowsのリカバリー(初期化)方法】
- Windows回復環境に入る(強制終了2回か回復ドライブなどを利用)
- 「トラブルシューティング」を選択します。
- 「このPCを初期状態に戻す」を選択します。
マザーボードを交換する
Inaccessible Boot Deviceエラーが発生し再起動を繰り返す場合は、マザーボードが原因の可能性があります。
まず、マザーボードの物理的な接続状況を確認してみてください。
接続不良によりエラーが起きている可能性もあります。
接続に問題がなく、マザーボードが原因でエラーが起きている場合は、交換が必要です。
Inaccessible Boot Deviceの原因
Inaccessible Boot Deviceというエラーが発生する原因には、以下のようなものがあります。
- Windows 10、11の更新プログラムの不具合
- 起動ディスクへアクセスできないまたはアクセスが不安定
- ドライバーが原因で起動ディスクにアクセスできないまたはアクセスが不安定
Windows 10、11の更新プログラムの不具合
Inaccessible Boot Deviceが発生する場合、更新プログラムが影響している可能性があります。
最近更新プログラムが実行された、という場合には、それを削除すると問題が解決するケースがあります。
更新プログラムをアンインストールする
起動ディスクへアクセスできないまたはアクセスが不安定
Inaccessible Boot Deviceは起動ディスクへのアクセスがうまく行かないために発生することがあります。
これには、物理的な不具合を含みます。
OSの入っているHDDやSSDがケーブルにきちんと接続できているか確認してみてください。
一度SATAケーブルに接続し直すなどをおすすめします。
ドライバーが原因で起動ディスクにアクセスできないまたはアクセスが不安定
Inaccessible Boot Deviceエラーが発生している場合、AHCIドライバーが原因で起動ディスクへ接続できないなどの可能性があります。
このような場合は、下記の方法でAHCIドライバーを更新してみてください。
【AHCIドライバーを更新する方法】
- 回復ドライブなどを使用して回復環境を立ち上げます。
- 「トラブルシューティング」を選択します。
- 「詳細オプション」を選択します。
- 「スタートアップ設定」を選択します。
- 「再起動」を選択します。
- 数字キーで「4」を選択します。
- セーフモードが起動します。
- 「Windows」キーと「X」キーを同時押しします。
- 「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「IDE ATA/ATAPIコントローラー」を選択します。
- 標準SATA AHCIコントローラーを右クリックします。
- 「ドライバーの更新」を選択します。
Inaccessible Boot Deviceではセーフモードでも起動できないのか?
Inaccessible Boot Deviceエラーが発生した場合、セーフモードでも起動できるケースと、起動できないケースがあるようです。
起動できる場合にはセーフモードからドライバーの更新などがおこなえます。
Windows 10、11でクローンを作成後にInaccessible Boot Deviceで起動しない場合
Windows 10やWindows 11でクローンを作成した後にInaccessible Boot Deviceが発生した場合には、下記の点を確認してみてください。
- BIOS(UEFI)で起動ディスクが正しいか確認する
- GPTやMBRが競合していないか確認する
- ソースディスクに不具合がある・間違っていた
- クローン作成中に不具合が起きた
BIOS(UEFI)で起動ディスクが正しいか確認する
クローン作成後にInaccessible Boot Deviceが発生した場合、BIOS(UEFI)の起動ディスクが正しいか確認してみてください。
起動順などが誤っているとエラーが発生する原因となります。
【BIOS(UEFI)の起動ディスク設定方法】
- BIOS(UEFI)を起動します。
- 「Boot」の「Boot Device Priority」を正しい順序に変更します。
- 「Exit」で設定を保存します。
GPTやMBRが競合していないか確認する
クローン作成後にInaccessible Boot Deviceが発生した場合、GPTやMBRが競合していないか確認してみてください。
【GPTやMBRが競合していないか確認する方法】
- BIOSを起動します。
- 「Boot」内の「UEFI/BIOS Boot Mode」を選択します。
- パーティションがGPTであれば「UEFI」を選択、MBRであれば「Legacy」を選択します。
- BIOSを終了します。
ソースディスクに不具合がある・ソースディスクを間違っていた
クローン作成後にInaccessible Boot Deviceが発生した場合、ソースディスクに不具合があったり、ソースディスクが間違っていたりする可能性があります。
ソースディスクに不良セクタがある場合などはCHKDSKなどで解決する可能性があります。
クローン作成中に不具合が起きた
クローン作成後にInaccessible Boot Deviceが発生した場合、クローン作成中に不具合が起きてしまった可能性があります。
この場合は、クローンを再度実行し、不具合のない状態で接続する必要があります。
Windows 10、11で再起動を繰り返すInaccessible Boot Deviceの修復と原因まとめ
今回は、Windows 10やWindows 11で「Inaccessible Boot Device」というエラーが出てしまい再起動を繰り返してしまう場合の対処法を解説しました。
Inaccessible Boot Deviceエラーが起きてしまった場合にもいくつかの対処法がありますので、試してみてください。
また、初期化やクリーンインストールをおこなう場合には、必ずバックアップを取りましょう。